挽弦暮笙

出演声優さんに聞く――「ポチ（犬）を演じられてうれしい」（下野さん）

　角川ゲームスよりニンテンドー3DS用ソフト『メタルマックス4 月光のディーヴァ』が発売。発売日前夜の2013年11月6日には、熱心なファンを招いての“『メタルマックス4 月光のディーヴァ』発売前夜祭”が行われた。キャストやスタッフが参加しての大盛り上がりのイベントの模様はファミ通.comでもリポートした通りだが（⇒記事はこちら）、ここでは、イベント開催前にバックヤードで行われた声優陣やアーティスト、クリエイターへのショートインタビューの模様をお届けしよう。記事の最後には、レアアイテムのプレゼントも用意しているので、ぜひとも全部目を通してくださいね。

　まずは、主要キャスト陣に役柄に対する感想や本作の楽しみどころなどを聞いた。

■下野紘さん（主人公・ヒナタ役）
　僕が担当したヒナタは主人公で、おもに戦闘ボイスばかりなんです。何となく自分が絡むイベントはわかるのですが、とにかく戦闘が多いです。ヒナタがいちばんしゃべるのがエンディングというくらいです（笑）。ヒナタという主人公は序盤でいきなり襲われて、いったいどういう状況下なのかわからず、戦闘もぜんぜん素人のまま戦いに赴くことになります。当初は、比較的自信がなさげなセリフが多かったり……と基本的にふつうの男の子ですね。ヒナタのそんなところに共感しています。
　あと、何よりもうれしかったのは、今回ポチ（犬）を演じられたことです。ポチは『メタルマックス』シリーズでは唯一レギュラーなのですが、よろしければ、そちらのほうも楽しんでいただけるとうれしいです。アフレコ時になぜか、「これもやってもらっていい？」って、ポチの役を録らさせていただいたんです。僕はもともと『メタルマックス』シリーズの大ファンだったので、ポチを演じられて、すごくうれしかったですね。
　ちなみに『メタルマックス4 月光のディーヴァ』では、ヒナタとポチのほかにも、いろいろな役柄を演じさせていただいていますよ。

■白石真梨さん（ズキーヤ役）
　ズキーヤの魅力は、一生懸命でまっすぐなところです。鬼婆だけでなく育てられた“月光”を家族のように慕っていて、"月光"が陰で悪いことをしていると知って、いろいろと葛藤したりもします。でも、そこで曲がらずにまっすぐに生きているところがすばらしいです。そして、とても個人的なのですがピアノが弾けるところがカッコいいなと思います。ゲーム中にそういうシーンがあるのですが、私は楽器がさっぱりなので、羨ましいです。こんなにセリフのある収録は初めてだったので、皆さんにご迷惑をお掛けして大変でしたが、本当に楽しかったです。

■佐藤奏美さん（サーシャ役）
　サーシャは、ヒナタを守るために作られたアンドロイドですが、人間にありがちな“計算”がまったくないんですね。「ヒナタのために……」、「ヒナタを守るために……」という役どころです。ただ、アンドロイドでありながら、時折「これ、感情あるんじゃないか？」って思うような、深いセリフとかもあったりするんです。
　あと、サーシャには、いろいろなバージョンの口調があるんですね。説明口調であったり、ヒナタにやさしく語りかける口調であったり……。それで、ヒナタの回答によって口調も変化するんです。そのため、ゲーム中ではやさしかったサーシャが突然説明モードになったりするんですね。そういった意味では、「なぜ変化したんだろう？」というところを感じながらプレイしていただけるとうれしいです。
　どのセリフで感情を込めて、どのセリフでは感情を入れないようにしゃべるかは、スタッフさんと何度もディスカッションしながら収録していったので、ぜひ楽しんでいただけたらいいなと思っています。

アーティストに訊く――「6人全員で声優としてゲームに出演できて、本当に感激」（i☆Ris）

　おつぎは、i☆Risの6人（山北早紀さん、芹澤優さん、茜屋日海夏さん、若井友希さん、久保田未夢さん、澁谷梓希さん）に話を聞いた。『メタルマックス4 月光のディーヴァ』では、6人が声優として出演しているというi☆Ris。なおかつゲーム中では、実際の皆さんに似せてキャラクターが作られているというので、感慨もひとしおの様子。さらに、メンバーのひとりである澁谷梓希さんは、オープニングテーマである『EDGE OF HEAVEN』を担当している。皆さん仲がよろしいようで、賑やかなトークとなった。お話を聞く時間が少ししかなかったのが、本当に残念！

――いよいよこれから前夜祭が始まりますね。

山北　まさに“マックス”な気分です！　『メタルマックス4 月光のディーヴァ』は明日発売なのですが、じつは私たちi☆Risも明日でデビューして1周年になるんです。ダブルでおめでたい日の前日に、こんな素敵なイベントに参加できて、すごく幸せです！

澁谷　緊張してます。私は、オープニングテーマの『EDGE OF HEAVEN』を歌わせていただいているのですが、『メタルマックス』ファンの皆さんを前に歌うのは初めてなんですね。控室でも、思わず「緊張している」を連発してしまうほどです。とはいえ、ステージでは、しっかりと『EDGE OF HEAVEN』を歌い切りたいです。

山北　リハーサルでも緊張していたものね。伝わってきたよ。

芹澤　でも、ゲームの主題歌を生で聞けるなんて、なかなかない機会ですよね。ファンの皆さんも楽しみにしてくれているんじゃないかなと思います。。私もゲーム好きとして楽しみにしています。

澁谷　プレッシャーですかね、これ（笑）。（編集部註：その後前夜祭では見事に歌い切りました※リポート記事をご参照のこと）

若井　この前夜祭は、『メタルマックス』の魅力がさらに伝わる内容になっていると思います。今日のイベントを通して、皆さんがさらに『メタルマックス』というゲームを好きになってくれたらいいなと思います。

一同　すばらしい！

――いよいよ明日『メタルマックス4 月光のディーヴァ』が発売されますが……。

芹澤　超楽しみです！　ゲームを進めていると、女の子と仲よくなれるらしいので、ぜひとも素敵な人を見つけたいです。

若井　私は、自分が声を担当した女の子と結婚する予定です。

一同　おお～！

山北　私は子どものとき、ゲームボーイを遊んでいたころからゲームが大好きで、自分の声がゲームから聞こえてくるなんて、夢みたいです。しかも、自分に似せたキャラをわざわざ作っていただけるなんて。そんなことってなかなかないじゃないですか。だから、すごく楽しみです。友だちにも自慢できちゃう。

若井　全員が声優として同じゲームに登場するなんて初めてのことだし、この先もなかなかないことだと思うので、すごくありがたいです。

山北　でも、あえて友だちに何も言わないで、「セーブポイントで出てきた女の子、なんか似てない？」とか、言われたいな（笑）。

開発陣に訊く――「シリーズで今回がいちばんしんどかった」（田内氏）

　最後は、開発陣にコメントをいただいた。ようやくゲームも完成したということで、ほっとひと安心といった様子がうかがえた開発陣の皆さん。『メタルマックス4 月光のディーヴァ』では、オリジナルスタッフが集結したことが大きな話題となっているが、コメントの端々から、『メタルマックス』シリーズに対する深い思い入れが伝わってきた。コメントをいただいたのは、ゲームデザイン・宮岡寛氏、サウンド・門倉聡氏、ディレクター・田内智樹氏、プランニングディレクター・友野祐介氏、プロデューサー・久保武史（エンターブレイン）の5人だ。

――ようやく『メタルマックス4 月光のディーヴァ』が完成したわけですが、本作を完成させて言いたいことや、うれしかったことなどを率直にお聞かせください。

宮岡　完成してのひとことは……「買ってください！」です。けっこうよくできているんで、ぜひとも遊んでいただきたいです。うれしかったのは……初めて声優さんとお仕事ができたことです。スタジオでの収録はとにかく時間がかかったのですが（2ヵ月ぎっしり）、楽しかったですね。僕が脚本を書いた手前もあって、途中で演出みたいなことをやったりもしたのですが、なにか文化祭のノリで、とても楽しかったです（笑）。

門倉　通常サウンドって、ゲームの開発がスタートしてから、しばらく経って加わるケースが多いのですが、本作ではけっこう最初のほうからプロジェクトに参加していました。今回は、いままでの『メタルマックス』とはだいぶ違いましたね。宮岡さんがこんな感じなので（笑）、『メタルマックス』の曲はわりと濃い曲が多いのですが、今回は最初に宮岡さんから、「いままでの『メタルマックス』ではやらなかったことに取り組んでください」って言われたんですよ。音楽的におもしろかったことを自分なりにできたので、楽しかったです。あとは、プレイしていただけるとわかるのですが、本作にはベートーベンの『月光』を弾くシーンが出てくるんですよ。で、宮岡さんが、僕に「弾け！」と。それで、さんざん練習したのですが、がっつりと収録されているので、聴いてみてください。今日も「弾け！」と言われるのではないかと、びくびくしていました（笑）。そうそう、宮岡さんがずっとおっしゃっていた、「歌を2曲入れたい」という希望が叶えられてよかったですね。しかもふつうの曲ではなくて、すごく重要な……これ以上はネタバレになるので言えませんが……。

久保　とにかく発売日に無事届けられてよかったです。今回、アニメーションだったり声優さんのボイスだったりと、いままでやってこられなかったことを新しいチャレンジとして詰め込んだんですね。当然、皆さんいろいろ「あれもやりたい」、「これもやりたい」というぶつかり合いがあったわけですが、それをしっかりと形にできたということが、感慨深いです。何回も挫けそうになったので、完成して、いまこの瞬間がいちばんうれしいです！
　いちばん印象に残っているのは、オープニングテーマと挿入歌ですね。オープニングテーマに関しては、最初に上がってきた詞が、ズキーヤやサーシャを視点にした曲だったんです。歌詞を見て、「ちょっと違うな……」という思いがあって、いろいろな意見交換をさせていただいたんですね。“希望と絶望”、“家族の絆”といった、本作の根底に流れるテーマのご説明をさせていただいたのですが、なかなか言葉ではうまく言いあらわせなくて、こちらの主旨がうまく伝えられたかどうか、自信がなかったんです。それが、1週間くらいしてできあがってきた曲を見ると、ちょっと泣いちゃうくらいないい歌詞で、感動してしまいました。そうやって、ひとつひとつのパーツが組み合わさって、『メタルマックス4 月光のディーヴァ』の世界がぎゅっとひとつになった瞬間というのが、いちばんよかったです。

友野　僕は子どものころから熱心な『メタルマックス』ファンで……という世代なのですが、今回宮岡さんや田内さんといったオリジナルメンバーが、新しいナンバリングタイトルを手掛けられるということで、そのプロジェクトに参加させていただけたというのが、個人的には非常に大きなことでした。『メタルマックス』シリーズというのは、とにかくものすごい物量で、開発中何度も完成が危ぶまれる瞬間があったのですが、皆さんの作り上げてくださったものと、自分の作業とが合わさったものがしっかりと形になってきたものが見えてきたときは、得も言われぬ感慨を抱きました。

田内　いままでずっと『メタルマックス』を作ってきましたが、正直言って今回がいちばんしんどかったですね。本当に！　開発期間もいちばん長いです。それまでは、「もうちょっと触りたいから、少し締め切り延びないかな？」と言っていたのですが、『4』に関しては、「頼むから、もう終わってくれ！」と願っていました（笑）。終わったときは、脱力感にとらわれてしまいましたね。いまは……不安です（笑）。あまりに変わったことをやり過ぎてしまったので（笑）。「こんなにもいままでとは違う『メタルマックス』にしちゃって、いままでシリーズを好きでいてくれたユーザーの皆さんは受け入れてくれるんだろうか……」という。受け入れていただけるといいなと思っています。今回はほんとうにしんどかったです。私は、ディレクターと言いつつ、ほとんどの作業をしていたので、ものすごい物量でしたね。万単位の量のデータを触っていたので、ノイローゼになるくらいしんどかったです。
　とはいえ、いままでとまったく違ったのがボイスの収録。声の収録は、本当に楽しかったです。データに関しては、ひとりで没頭してやらなければならないので、“ひとり作業”という感じがあるのですが、声の収録に関しては、声優さんがいるわ、エンジニアの人がいるわ、演出の人がいるわ……で、皆さんでひとつひとつのセリフを作り上げてくというのが、いままでにない協同作業で、すごく新鮮でした。とても楽しかったです。

描き下ろしラベルの特製ブドウジュースを10名にプレゼント

　“『メタルマックス4 月光のディーヴァ』発売前夜祭”で（⇒記事はこちら）、来場者に配布された特製ブドウジュースを10名にプレゼント！　山本貴嗣氏描き下ろしラベルという、まさにファン垂涎のレアアイテムです。プレゼントの希望者は以下の応募フォームにより申し込みのこと。応募の締め切りは、2013年11月29日（金）23時59分まで。応募者多数の場合は、抽選とさせていただきます。当選者の発表は、商品の発送をもって代えさせていただきます。